秋田偏 『安倍なつみコンサートツアー2004あなた色プレミアム』〜出会い〜
コンサート一週間前、チケットが届きました。今でもとってある黄緑色の封筒。ドキドキしつつも(ファンクラブにも入ってないし、それほどいい席じゃないだろう)そう思いつつビリビリと・・・
『・・・・?・・・・うわぁぁぁぁぁぁああああああ!!!』
速攻副管理人にメールです。
「おい・・・五列目だ!!」
「ふ〜ん」
今までコンサートに行ったことのない、彼はその凄さがわかりません。バカだなと思いました。
・・・いよいよ一週間後コンサートです。
秋田できりたんぽ探しに5時間も歩き回った僕らはヘトヘトでした。しかもきりたんぽ鍋に、シーフードカレーにパフェまで食べた副管理人はお腹ピーピーです(副管理人は太ってませんよ)。
僕らは、コンサート会場の近くの公園の、奥深くの誰も使っていないようなトイレに向かったのでした。
彼が用を足している間、僕はトイレの前で待ちぼうけ。・・・しかし、そこで心地よいメロディーが流れてきたのです。『どこかで聞いたことがあるような・・』!!!ビビッときました。
「おい、マサトシ!!大変だ・・・リハーサルの音が聞こえている!!」
「なっ・・なにぃ!?」
ホントにきちんと拭いたのかもどうか分からない勢いで彼はトイレを飛び出します。僕らは急いでコンサート会場に走るのでした。
コンサート会場の前には、開場1時間前だからか、人がチラホラいる程度。僕らは、グッズをスムーズに買い、入り口の列に並ぶのでした。グッズ売り場では、前のおじさんが『ここから・・・ここまでください』と言っていたのが印象的でした。
いよいよ開場。僕らの前には5、6人の人が並んでいました。『開場になりま〜す』イケメンの係り人の方たちの声でチケットを見せ入場。・・・あれ?前にいた数人の方たちはまだグッズを買っていなかったからか横にはけて行きます。・・・まさか。僕らはチケットを見せた後、一直線に走りました。そして。ホールの扉を開ける・・・
「一番のりじゃん!!」これくらいで、はしゃいでいた僕らも子供でしたね。でも、こうゆうささやかな幸せって大事ですよね。しかも、5列目!前に・・・まだ前に・・・。席を見る。ステージを見る。「近っ!!」
五列目の凄さを実感した副管理人の表情は忘れません。
・・・3回ぐらいトイレに行き、4回目行こうか迷っているとき、辺りが暗くなり始めました。
早くペンライトをつけないと・・・・あれ?使い方が分からない。買ったはいいが、使い方がわかりません。
「マサトシ!!ペンライトがつかないっ」
「ふれ!!とにかく振るんだ!!」
100円ショップのペンライトを必死に僕らは振ります。
「おいっ、カズキ!ちょっと光ってきたんじゃない?」
「よし、少し曲げろ。ねじれ!!」
必死にペンライトを曲げる僕ら。・・・ついてきた様なついてないような。
その時。ボキッ!!
「ヤバイ!!折れた!!」
僕は自分のペンライトの命が消えたことを確信しました。しかし・・・ピカー
「光った・・・光ったぞマサトシ!!」
彼はまだ必死に振っていました。皆さん、ペンライトは音が鳴るまで曲げればつくそうですよ。
そして、いよいよ開演。
幕に映像が映し出されます。僕らは呆然としていました。周りの気迫と感性と、今までに味わったことのない感覚。空間。気がついたらあの曲のイントロが流れていました。『恋のテレフォンゴ〜ル』
ここからはもう瞬間瞬間のレポです。
幕が下りた!なっちだ!・・・本物だ・・・・
歌が始まる・・・初めのフレーズは『はにかんだ・・・』歌う。歌うぞ・・・・あれ?『・・・・・顔がダイヤモンド』
飛んだ!!歌詞飛んじゃいました!!なっちが恥ずかしそうに笑います。改めて本物だと実感。なっちが目の前にいます・・・
辺りを見回すと・・・みんな一生懸命楽しそうに、歓声を送り、跳ねています。
僕らは顔を見合わせました。(ここは、自分をさらけ出していいところなんだ。僕らも素直な気持ちになろう!)
そこからは、もう楽しくて楽しくてしょうがありませんでした。なにせ歌詞が飛んだ原因はあまりにも客席とステージが近かったからだそう。ホントになっち見えまくりでした。歌も心に響き、何よりなっちの笑顔に感激しまくりです。
なっちの生歌は本当にすばらしい。
なんて言うんですかね。耳を通らず、直に心に伝わってくるんです。
「ひとりぼっち」なんて本当に泣けてきそうでした。
東北のファンは結構おとなしめの方が多いらしいですが、その分、みんなちゃんと歌を聴き入るんですよね。
バラードを歌い終わった後の拍手も、会場が一つになって一生懸命拍手を送っていました。
また、MCも会場が狭いせいか、なっちとのやりとりも自由。元気のあるファンの方が、ラスト曲の前に
『もう一回最初からやって〜!』と言って、なっちに『こらっ笑』と笑われていたのが印象的でした。
さて、ここから僕らの人生が変わっていきます。もう・・・何かが心の中に住み着いてしまったのです。
まず、『あなた色』の時、振り付けで指差しをするところがあるのですが、なんとその指差しの延直線上に・・・僕がいました。本当はないのですが、この日はなっちのテンションが高かったのか、なんとウインクつき。・・・倒れそうでした。やられました。
そして、アンコール。中沢姐さん。保田さんとともに、笑顔で僕らに元気をくれます。いよいよ、終わっていますのかと思うとせつないものです。その時、なっちがまたこっちに近づいてきました。(もう最後だし・・)
僕らは目を合わせました。(思い出作りに・・・)
駄目もとで手を振ってみます。アイドル(もちろんアーティストでもある)だしみんなに手振って終わりだろうな、なんて考えながら。・・・やっぱり駄目か。なっちが遠ざかって行きます。僕らは手を下ろそうとしました。
その時!!『(^V^)!!』
なっちが・・なっちが最高の笑顔で、しかも両手で、僕ら二人だけに手を振ってくれたんです!!僕らは、下げかけた手を一生懸命に振り返します。一瞬で頭に焼き付きました。一生忘れません。あの笑顔は。
コンサート終了後、二人で電車の中。
『なぁ・・・やばいよな』
『うん・・・やばい』
そう・・・僕らは今まで味わったことのない感動に酔いつぶれていました。聞いているだけで力が湧くなっちの歌。そして、心地が良すぎるくらいのあの空間。
あの、楽しい空間は忘れられない。元気をこれだけもらっているのだから、そのぶん応援したい!
始まったのでした。僕らの最高の新しい道が。